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税金基礎知識 その3

所得税のしくみ

 所得に対する課税方法として次の「総合課税」と「分離課税」があります。

[1]総合課税
  総合課税とは全ての所得を合計して税額を計算するもので「配当所得」、「不動産所得」、「事業所得」、「給与所得」、「譲渡所得」、「一時所得」、「雑所得」があげられます。

  (計算方法)
1.損益通算(不動産所得、事業所得、譲渡所得の損失は、他の所得から控除することができます。
ただし、不動産所得の一部の損失については損益通算できません。)
  →<総所得金額>
2.上記1の総所得金額に所得控除額を差し引きます。
  →<課税総所得金額>
3.上記2によって算出された課税総所得金額×税率
  →<算出税額>
4.上記3によって算出された算出税額に税額控除を差し引いて<納付税額>が算出されます。

[2]分離課税
  分離課税とは特定の所得について他の所得と合計せずに特定の所得にだけそれぞれの税率で課税する方式で「山林所得」、「退職所得」、「土地等の譲渡」、「株式等の譲渡」、「利子所得」があげられます。

(1)山林所得、退職所得
1.損益通算(山林所得の損失については他の所得から控除することができます。)
  →<山林所得>、<退職所得>
2.上記1の所得金額に所得控除額を差し引きます。
  →<山林所得金額>、<退職所得金額>
3.上記2によって算出された所得金額×それぞれの税率
  →<算出税額>
4.上記3によって算出された算出税額に税額控除を差し引いて<納付税額>が算出されます。

(2)土地等の譲渡、株式等の譲渡
(注)土地等の譲渡については、損益通算ができません。
ただし、一定の居住用財産の譲渡損失については、損益通算することができます。

1.土地等の譲渡所得、株式譲渡所得にそれぞれの所得控除額を差し引きます。
  →<譲渡所得金額>、<株式譲渡所得金額>
2.上記1によって算出された所得金額×それぞれの税率
  →算出税額
3.上記3によって算出された算出税額に税額控除を差し引いて<納付税額>が算出されます。
  
(3)利子所得
  →利子所得から一定の税率で算出した金額を源泉徴収されます。

日本税理士会連合会/編集 「やさしい税金教室19年度版」より