転職理由の本音と建前
転職市場は盛況
転職求人情報誌DODAの「転職求人倍率レポート」によると2016年6月の転職求人数は前月比102.2%、前年同月比134.6%となり、求人数は19かカ月連続で調査開始2008年1月以来の最高値を更新しているということです。
転職希望者も前月比104.3%、前年同月比157.9%となり10か月連続で最高値を更新しており、転職市場は引き続き盛況なようです。
このような人材の活発な流動化のもとでは企業にとって人材確保が大きな問題となります。
会社に伝える退職理由と違う本当の理由
従業員が退職する場合、自己都合だとしてもその理由を述べるのが普通です。
しかし従業員の話す退職理由が本音ばかりでないと言うことを次の調査が伝えています。
エン・ジャパン㈱が行った退職理由についてのアンケート(回答1,515名)では、約半数の人が会社に本当の理由は伝えなかったと答えています。
「会社に伝えた退職理由」
ア、結婚・家庭の事情 23%
イ、体調を崩した 18%
ウ、仕事内容 14%
「本当の退職理由」
ア、人間関係 25%
イ、評価・人事制度 12%
ウ、社風・風土・給与・拘束時間 11%
以上から考えると従業員が答える退職理由は本音と違っていることもあると言えます。
退職者の多い会社は「本当の理由」から考えられるように総体的に会社の雰囲気が悪かったり待遇面で不満を持つ人が多かったりということになり、そこに企業自身が考える必要のある問題も含まれていると言ってよいでしょう。
退職者の再雇用
半数の退職者は理由が違うと言っても、もう半数の人の中にはやむを得ず退職した人もいるわけです。
そのような人はまた戻って働きたいと言う人がいるかもしれません。
病気療養や家庭内の事情(介護、育児他)が一段落して、親しんだ職場に戻りたい人もいるでしょう。
会社側も採用コストの削減、即戦力にもなり、定着率も上がります。
また一緒に働きたいと思う退職者に会社から声をかけてみるのも良いかもしれません。