個人売電収入の所得区分
平成29年度からは「入札制度」など導入
日本の太陽光発電は、補助金制度や余剰電力買取制度の復活(平成21年)、平成24年7月の固定価格買取制度(FIT)の導入で急速に普及してきました。
その後、平成26年の「九電ショック」(太陽光発電に適した九州・北海道などで送電網が限界に達したため、新規接続申込が保留された騒動)で冷や水を浴びせられましたが、平成29年度以降は、買取価格の決定方式の見直し(「入札制度」と「価格低減スケジュール」導入)をはかり、更なる普及を目指しています。
個人売電収入の所得区分は買取制度で区別
現行の売電(買電)制度には、
①全量買取制度(発電した電気を全て売電。発電容量10kW以上が対象)
と
②余剰電力買取制度(発電して余った電気だけを売電)の2つがあります。
住宅用の場合の発電容量の平均が4.5kW前後であるため主に「余剰電力買取制度」が利用されています。
なお、個人の売電収入の所得区分は、買取制度に応じて、次のように区分されます。
①自宅(住宅)に設置 雑(20万円以下は申告不要)
②店舗併用住宅に設置 事業(メーターが一つの場合:事業付随収入)
③賃貸アパートに設置 不動産(共用部分で使用)
「グリーン投資税制」は対象資産確認を!
その他の税務のポイントは次のとおりです。
①発電設備は耐用年数17年で償却します。
ただし、自宅使用(余剰電力買取)の場合には、自家消費分があるため、売電対応分の割合(売電量/発電量)で按分する必要があります(店舗併用住宅では、さらに事業使用按分が必要)。
②国庫補助金の総収入金額不算入制度や「グリーン投資税制」の適用の余地があります。
「グリーン投資税制」は年度により制度が変わるため、適用対象資産をよく確認する必要があります(不動産所得には不適用な点にも要注意)。