役割等級定義の方法
社内等級制度は賃金等の処遇の基軸となる重要性を持ち、経営者・管理職・一般社員から見て等級の違いがよく分かり、納得性がある等級定義が必要になります。
役割等級定義の方法
①役割等級数の検討
中堅・中小企業では、管理職層で2~3等級、一般社員層で3~6等級が目安となります。
②単線型・複線型の選択、決定
事業推進上、専門的な技術・技能が重要な企業では、管理職層でマネジメント系列・プロフェッショナル系列に分けた複線型等級制度を選択します。
これは、マネジメント系列のみ設定することによって、「管理職にならなければ高い処遇が得られない」と言う社内認識を避け、専門性の高い業務で活躍する社員に将来の昇進・昇格の可能性を制度的に保証するためです。
③役割定義項目の選定
等級の違いを明確に定義するため、一般に、次の項目について定義します。
ⅰ)担当する職務の成果責任、
ⅱ)権限(所管組織の規模・予算等)
ⅲ)職務遂行に必要な能力
④課業分析による役割定義
ⅰ)職種別に各等級の基準職務(管理職層・一般社員層別に平均的と見られる職務)について、課業(まとまり仕事)別に③の項目を調査の上、「職位(=職務)」別に整理、統合して基準職務の役割定義とする。
ⅱ)基準職務から見て上下に実在する全職務について、実態に合うよう基準職務の役割定義を変化させ、それぞれの役割定義とする。
ⅲ)その変化が大きく、等級差をつけることが適当な場合、別等級とする。
⑤等級定義一覧表として整理決定する。
(注)④は、一つの基準職務を、プロジェクトチームのメンバー全員で、理解しつつ、完成の上、全役割定義に拡大すると良い。
経営者・管理者の留意点
等級定義は、経営者層・管理職層・社員を代表する制度設計委員会などによる合意形成、役割定義の実務作業は、社内の職務をよく知っている管理職・社員代表のプロジェクトチームを活用することをお勧め致します。