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パナマ文書の情報限界   

パナマ文書2.6テラバイト

パナマ文書の報道では、非営利組織の国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が中心となり、異なる国のさまざまな規模の報道機関が協力して膨大な内部文書の解明にあたっている、とされています。

今回、告発者から送られてきたデータ量は2.6テラバイトとされています。

キロ、メガ、ギガ、テラと3桁ごとの単位なので、1メガをおよそ新聞1日分の文字量とすると、新聞2,600,000日分の文書量です。

盗難文書の正義性

なお、この情報はMossackFonsecaのサーバへのハッキングによる情報流出と報告されています。

日本でも金融・証券に係る民間取引で守秘義務を約することは少なくありません。

TaxHavenにおいては、その守秘義務は日本の公務員と同じく、刑事罰の対象です。

MossackFonsecaは守秘義務違反を犯してないと主張したとしても、その管理責任で刑事罰を問われるのかも知れません。

パナマ文書暴露が正義の行為だとして

パナマ文書の暴露が正義の行為であるか否かは別にして、ベトナム戦争の真相を暴露したペンタゴン・ペーパー事件のエルズバーグがスパイ法違反と窃盗の罪で米政府から求刑された禁固115年と比較すれば、当事者がバレれば同じ扱いを受けることは避けらないでしょう。

日本でも、特定秘密保護法に照らして「不当な取材」を理由に処罰の対象になることになっています。

ただし、今回の事件は、正義感をもった個人の行為ではなく、情報機関の組織的行為と見るほうがむしろ自然に思われます。

パナマ文書は何を暴露できたのか

ただ、今回の暴露情報には金銭財貨の動きを伴なう経済取引情報はほとんど見当たりません。

名前の出た者の全取引情報の開示をパナマに要求すればよいではないかと思われるでしょうが、大抵の場合TaxHavenには何も情報はないのです。

紙上経由地というだけで、全てを管理しているのはシティやウォール街だからです。

OECD主導で「金融情報交換」が順次スタートしていますが、今回の騒動でパナマも参加するとしたものの、実効はないように思われます。

むしろ、シンガポール、バーレーン、リヒテンシュタイン、そして米国が参加拒否していることの意味は、ここが紙の上だけのTaxHavenではないからです。