消費税 軽減税率の概要⑤
売上税額又は仕入税額の計算の特例の概要
来年4月の消費税増税について、どうやら再延期となるようです。
いずれは増税になる予定ですので、ここでは、売上税額又は仕入税額の計算の特例に係る経過措置の概要を見ていきたいと思います。
● 売上税額の計算特例
売上を税率ごとに区分することが困難な事業者は、次の方法により軽減税率の対象売上及び売上税額を計算することができます。
① 仕入を税率ごとに管理できる卸売業・小売業を営む事業者
卸売業・小売業に係る売上に、「小売等軽減仕入割合」を乗じた金額を軽減税率対象品目の売上とし、売上税額を計算できます。
小売等軽減仕入割合 = 卸売業・小売業に係る軽減税率対象品目の仕入額 / 卸売業・仕入業に係る仕入総額
② ①以外の事業者
売上に「軽減売上割合」を乗じた金額を軽減税率対象品目の売上とし、売上税額を計算できます。
軽減売上割合 = 通常の連続する10営業日の軽減税率対象品目の売上額 / 通常の連続する10営業日の売上総額
③ ①・②の計算が困難な事業者
①・②の計算が困難であり、主に軽減税率対象品目を販売する事業者は、これらの割合を50%として売上税額を計算できます。
適用期間は、中小事業者(基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者)は、平成29年4月1日から平成33年3月31日までの期間、中小事業者以外の事業者(基準期間の課税売上高が5,000万円超の事業者)は、平成29年4月1日から平成30年3月31日の属する課税期間の末日までの期間となります。
仕入税額の計算特例
仕入を税率ごとに区分することが困難な事業者は、次の方法により軽減税率の対象仕入及び仕入税額を計算することができます。
① 売上を税率ごとに管理できる卸売業・小売業を営む事業者
卸売業・小売業に係る仕入に、「小売等軽減売上割合」を乗じた金額を軽減税率対象品目の仕入とし、仕入税額を計算できます。
小売等軽減売上割合 = 卸売業・小売業に係る軽減税率対象品目の売上額 / 卸売業・仕入業に係る売上総額
適用期間は、平成29年4月1日から平成30年3月31日の属する課税期間の末日までの期間となります。
② ①以外の事業者
・中小事業者
消費税簡易課税制度選択届出書を提出した課税期間から簡易課税制度を適用することができます。
適用期間は、平成29年4月1日から平成30年3月31日までの日の属する課税期間となります。
・中小事業者以外の事業者
簡易課税制度を準用して仕入税額を計算できる特例が、経過措置として設けられています。
適用期間は、平成29年4月1日から平成30年3月31日の属する課税期間の末日までの期間となります。