日独租税協定が改正
租税条約とは
租税条約とは、「国際的二重課税を防止するため」に国家間で結ばれる条約です。
日本は、2016年1月1日現在、65条約、96の国・地域と租税条約を結んでいます(多国間条約である税務行政執行共助条約、及び、旧ソ連・旧チェコスロバキアとの条約の複数国への承継のため、条約数と国・地域数が一致しません)。
日本の場合、国内税法よりも租税条約の方が優先されます。
そのため、源泉所得税率につき所得税法の規定よりも租税条約が有利な場合は、「租税条約に関する届出」を事前に税務署長に提出することにより、軽減・減免された税率の適用を受けられます。
新日・独租税協定が署名されました
2015年12月17日に新日・独租税協定が署名されました。
発効は両国での国内手続(日本は国会承認)を経てからですが、1967年に発効(1980年及び1984年に一部改正が発効)した現行協定に代わるものです。
相互の投資・経済交流を一層促進するための環境整備として、使用料や利子にかかる源泉税は免税=ゼロ税率(現行:10%)となります。
配当の源泉税も最大で現行より10%引き下げられます。
日米間および日英間では利子・使用料ともすでに免税となっていましたので、これで日独間も英米に並ぶことになります。
新協定は、発効の翌年1月1日以後に開始する各課税年度の租税や同1月1日以後に課される租税に適用されますので、2017年からの適用と見込まれています。
意外と盲点、-ここに注意を!
現行の日独租税協定の適用を受けている者(法人・個人)は、新協定が適用される支払をする日の前日までに、新しい適用にかかる「租税条約に関する届出」を所轄税務署長に提出しなければなりません。
なお、いままでは一度届出をすると届出書に記載した内容に変更のない限り有効でしたが、特典条項の適用対象となる租税条約の規定の適用になるようですので、現状の日米租税条約同様、一定期間ごと(適用内容により3年もしくは1年等)に届出書の提出が必要となります。