ふるさと納税の最終調整
地方の自主財源にも険しい道
地方自治体は、条例により法定外税(=法律で決まっている税以外のもの)の新設ができることとされています。(地方税法第259条・地方自治法第14条等)
すなわち、独自の財源を条例で制定できます。
実際に、核燃料税(福井県外10県)、別荘等所有税(静岡県熱海市、)などが制定され、平成25年度決算額で355億円(地方税収額に占める割合0.10%)~平成27年4月1日現在の総務省資料による~の税収があります。
しかしながら、税収に占める割合はわずかなものであり、自治体が独自に税制を設けても、納税者から違法であるとして訴えられ、税制の存在が否認されてしまうこともあり、なかなか容易な話ではありません。
実際に、神奈川県では臨時特例企業税条例の制定で税収増加を目論みましたが、平成25年3月21日の最高裁判所の判決において、違法・無効とされ、既に納付された臨時特例企業税を過去10年に遡り返還することとなりました。
創意工夫による税収の拡大合戦!?
なかなか厳しい税収拡大の道ですが、納税者が悦んで、かつ、自ら進んで税金を納付してくれる制度があります。
昨今過熱気味とも言われている「ふるさと納税」です。
平成27年からは納税者に優しい制度に変わっています。
国の措置として、5つの自治体までは確定申告が不要となる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」ができ、特例控除限度額も2倍に引き上げられています。
また、自治体側もいままで年1回だった御礼の特産品の送付制限を撤廃するところも増え、ますます熱を帯びています。
確定申告に挑戦
ふるさと納税の限度額は、その年の所得によります。
その年の所得は、12月の給与や賞与が決まるとほぼ確定します。
限度額ギリギリまでふるさと納税をするためには、12月にその年最後の年末調整をした給料をもらってから、少し頑張って限度額計算をしなければなりませんが、その価値は十分あります。