役員変更登記の改正点
株式会社の登記手続を定めている商業登記規則の改正で2015年2月から登記実務が一部改正されています。
今後の手続として知っておきたい点について解説します。
改正事項
①役員が新たに就任する場合、本人確認証明書を添付する。
②代表取締役の辞任届は個人の実印を押印し印鑑証明書添付か会社実印の押印が必要
③役員の氏名と共に婚姻前の氏も併せて登記する事ができるようになった
役員就任の際の本人確認証明書の添付
従来は取締役等の役員が就任した際の添付書類は就任承諾書のみの場合がありましたが、登記の真実性向上のため、役員の実在を確認し、株式会社設立登記や就任登記、役員変更登記の際に新たに本人確認証明書の添付をすることになりました。
再任の場合は不要ですから、現在の役員が任期満了で再任された場合は対象にはなりません。
本人確認証明書の必要な役員とは
取締役会設置会社においては、代表取締役以外の取締役、監査役、指名委員会等の設置会社の執行役に新たに就任する者。
取締役会非設置会社は監査役に新たに就任する者。
本人確認証明書とは住民票の写し、戸籍の附表、運転免許証写し等です。
代表取締役が辞任する時の辞任届
代表取締役が任期途中で辞任して変更登記をする場合に、辞任届の偽造で会社乗っ取りが図られる恐れもあると指摘がされていました。
そこで不正防止の為代表取締役の辞任届には個人の実印を押印し印鑑証明書を添付するか、登記所に届出している会社の実印を押印する事が必要になりました。
ただし、任期満了で代表取締役が退任する時は辞任ではありませんし、辞任届は必要ありません。
役員欄への婚姻前の氏の記録
今まで会社の登記簿の役員名は戸籍上の氏名が登記されていましたが、婚姻後も旧姓で活動する場合に支障を来す問題が指摘され、婚姻前の氏も記録する方法が選択できるようになりました。
登記簿に氏名が登記されている者が対象です。
戸籍謄本や住民票を添付して申請します。