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半血兄妹の相続分は今も2分の1   

民法の半血兄弟姉妹に係る規定

現在の民法第900条(法定相続分)の第四号には、

「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。

ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」

と記載されています。


婚外子(非嫡出子)差別違憲判決があった

平成25年9月の婚外子(非嫡出子)に対する相続差別を違憲とする最高裁大法廷の全員一致決定を承けて、同年12月に当該差別規定を削除する民法改正がなされました。

違憲判決により民法規定の、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、」の部分が改正削除されました。

しかしながら削除部分に続く先記した全血・半血差別部分はそのまま存続しています。

存続している差別規定の意味
ここの民法の規定を解説抜きに理解するのは難しいところですが、嫡出・非嫡出に関する規定は親からの相続についての定めで、全血・半血に関する
規定は兄弟姉妹間での相続についての定め、と読むべきとされています。

被相続人に子供がおらず、直系尊属も既に死亡している場合は、被相続人のすべての兄弟姉妹が同順位で相続することになりますが、相続割合については、全血兄弟姉妹に対し半血兄弟姉妹は半分、と平等にならないことになっています。

配偶者がいたとすると、配偶者の相続割合は4分の3、兄弟姉妹全体の相続割合は4分の1で、兄弟姉妹間の相続割合は全血か半血かによって異なる扱いを受けます。

兄弟は他人の始まりなので

親の異なる兄弟姉妹だったら、他人度が相当に高くても不思議ではありません。

しかし、相続分に違いはあるにせよ、疎遠なので連絡もしないまま、半血兄弟姉妹が参加しない遺産分割協議をしても、それは無効です。

逆に、債務超過の相続だったので、子が相続放棄したために兄弟姉妹に相続権が移る場合や、兄弟姉妹間の相続で、日頃疎遠のため情報が乏しい場合には、3か月の放棄申述期間を徒過しないように注意すべきです。