労働保険に加入する人・しない人
労働保険とは労災保険と雇用保険の総称です。
保険給付は別個に扱われますが、保険料の徴収は一体として扱われています。
労災保険の加入対象者
①労災保険は雇用形態にかかわらず労働の対償として賃金を受ける全ての人が対象です。
1日限りのアルバイトでも適用されます。
②法人の役員で代表権・業務執行権を有する人は労災の対象外です。
取締役でも指揮監督を受けて労働に従事し、その対象として賃金を受けている者(労働者としての賃金部分)は労災の対象となります。
代表権や業務執行権を有する人は労災の対象外ですが、労災保険特別加入制度を利用すれば労災加入ができます。
③事業主と同居の親族は原則として労災保険の対象外です。
事業主の指揮監督に従っている等、一定の条件の下では対象者になることもあります。
取締役と同様に労災保険特別加入者の対象者にもなります。
④出向労働者は、出向先で指揮監督を受ける場合は、出向元賃金も出向先賃金に含めて計算し、出向先対象労働者とします。
⑤派遣労働者は派遣元の対象労働者です。
雇用保険の加入対象者
①名称や雇用形態にかかわらず被保険者。
ア、1週間の所定労働時間が20時間以上で
イ、31日以上の雇用の見込みのある場合
②法人の役員、取締役は原則として対象になりませんが兼務役員として部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有し、労働者的性格の強い者は被保険者になります。
その場合、職安に雇用の実態を確認できる書類を提出しておく必要があります。
③事業主と同居をしている親族も兼務役員と同様の取り扱いになります。
④派遣労働者は派遣元で加入します。
⑤出向者は主たる賃金の支払い会社で加入。
⑥除外される人
ア、季節的に雇用され4か月以内の期間を定めて雇用される者や1週間の所定労働時間が30時間未満の者
イ、昼間学生
ウ、65歳以上で新たに雇用される者