配偶者控除見直し
2017年より新制度導入か
政府の税制調査会は、昨年、配偶者控除の見直しについて中長期の課題と位置付けていましたが、専業主婦らがいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除は、2017年にも改定する検討に入ったと発表しました。
配偶者控除を意識して女性が就労時間を抑えるケースが多々あるため、働きやすい制度に改め、共働きの子育て世帯を後押します。
配偶者控除とは、専業主婦やパート等の配偶者がいる世帯の税負担を軽くする仕組みです。
配偶者の年間所得が38万円(給与収入が103万円)以下の場合、所得税で38万円、住民税で33万円を課税所得から差し引きます。
配偶者の所得が38万円超から76万円未満の場合は段階的に控除額を減らす配偶者特別控除もあります。
新制度案は
現在の配偶者控除は、約1400万人に適用されているといわれています。
夫の年収が600万円なら税負担は7万円位が軽くなります。
103万円の壁と言われるこの制度が女性の働く意欲をそぐといわれていました。
ある調査では、「パートで働く妻の金額の上限を意識しているか」の問いには約半数の方が意識しており103万円という数字は内2割の方が意識しているとの結果が出ています。
新制度案は配偶者控除を廃止し、妻の年収に関わりなく夫婦の所得から一定額を控除する「夫婦控除」が創設される見通しです。
夫婦のどちらか収入の多い方から控除することになりそうです。
フルタイムで働く世帯にも適用され、就労時間を抑える必要は無くなります。
共働きが増える背景と企業の対応
生命保険会社の調査では、30代未婚の男性で女性の理想の夫の年収400万円以上の人は26%にすぎないといいます。
90年代の初め以降は、片働きより共働き世帯数が上回り、女性の職場進出、賃金上昇もあります。
企業の方も「主婦は103万円以内で働く人」という意識でいたかもしれませんが、これからはそうはいかなくなるでしょう。
企業の賃金体系にも影響があることでしょう。
3分の2くらいの企業は、被扶養配偶者のいる社員に家族手当を支給し、その支給基準を年収103万円以下にしているところが多いからです。
今後検討が必要になるかもしれません。