若者雇用対策法案のポイント
若者が働きやすいい労働環境の整備を目指して
先頃、政府が進めている「若者雇用対策法案」の要旨が発表され通常国会に法案が提出されました。
同法案は、一定の労働環境基準を満たす企業の認定制度を創設することや労働関連法で重大な違反があった企業にはハローワークでの求人を受け付けない等が柱であり、平成27年度内の施行を目指しています。
若者の就業状況は採用については今春大卒予定の内定率は80.3%、高校卒業予定の内定率84.1%と共に上昇しており、雇用状況の改善はしているものの一方で新規学卒者の3年以内の離職率は、大卒が32.4%、高卒者が39.6%となっています。
法案の概要
すでに厚労省では一定の労務管理体制が整えられていて若者の雇用や育成について積極的な中小・中堅企業で積極的に広報等を行う企業に対し「若者応援企業宣言」事業を実施していますが、今回の法案はさらに内容を強化するものとなっています。
①若者社員の定着率や能力向上の為の研修制度を導入する等、一定の基準を満たす企業を「若者育成認定企業」(仮称)として認定する。
②労働関連法の重大な違反があった企業にはハローワークでの求人受付をしない。
③フリーターやニートの正規雇用を推進する。
等が盛り込まれています。
「若者育成認定企業」の認定条件
①3年以内の離職率が30%以下
②年次有給休暇の取得率が70%以上、または10日以上
③平均残業時間が月20時間以内、または週60時間超えの人が5%以下
このような条件全てが満たされる企業が対象で助成金も支給される予定です。
また、新たな税制優遇措置として若者(概ね35歳未満)の採用、育成に積極的な企業で、通常の求人情報より詳細な企業情報、採用情報を公表し、上記の認定を受けた企業には取得した研修施設の建物、OA機器等の設備についての割増償却制度を創設する事も法案に盛り込まれています。