企業のメンタルヘルスの取り組み
心の病の増減傾向
2014年の6月から8月に実施された上場企業約2500社に対しての「メンタルヘルスへの取り組み」に関するアンケート結果が日本生産性本部のメンタルヘルス研究所より発表されました。
この調査は1年おきに行われ、今回は7回目となります。
メンタルヘルスの最近の傾向
最近3年間に心の病が増加していると回答したのは29.2%で前回調査より8.2%減じています。
横ばいは58.0%(前回比6.6%増)でした。
過去8年間の結果を見ると「増加傾向」は減少したが、「減少傾向」まで至っている企業は10%にもなっていないのが実情です。
「横ばい」とする企業は約6割と半数以上を占めています。
年齢別では心の病にかかる一番多い年齢層は30代で38.8%(同3.9%減)、40代が32.4%(同3.8%減)となっており、前々回の調査では30代が6割程度と非常に高かったのですが、今回は40代にもまたがっています。
また、10代から20代は18.4%と少ないものの対象者が少ない割には高率と言えます。
若年から中年まで心の病が平準化してきています。
組織風土と心の病の関係
心の病が「増加傾向」と答えた企業では「個人で仕事をする機会が増えた」と答えた人が52.1%、「職場の助け合いが少なくなった」については49.3%、「職場のコミュニケーションが減った」は58.9%でした。
心の病が「増加傾向」の組織では従業員の孤立した状況を示す質問の肯定率が「横ばい」、「減少」の組織より多かった事が明らかになっています。
心の病を減らすには従業員の声が事業開発や業務運営に反映されたり、異なる雇用形態の人とのコミュニケーションがスムーズに運ぶなどチームから孤立させずメンバーシップを確保し、組織内の垣根を越えたコミュニケーションを広げてメンバーシップを拡大することが大切でしょう。