長寿企業調査から見えるもの
長期存続の要因とこれから大事にしたいこと
少し前の調査ではありますが、帝国データバンクの長寿企業調査で、創業100年以上の企業に対し、「長期に存続してきた要因と今後重視したいこと」のアンケートによると要因の1位は、「本業を中心とした経営と品質の保持」でありました。
2位以下は「堅実な経営」「資金の安定調達・運用」「顧客ニーズに沿う」「リーダーシップの貫徹」と続き、6位には従業員の育成が入っています。
従業員の育成は今後重視したいことの1位であり、以下、「販路拡大」「コスト削減」「後継者の育成」「顧客ニーズへの取り組み」等が続きます。
調査結果を見て今後大事なこと
アンケート結果を見て企業が存続して行くのに大事な事は次の3つになるでしょう。
ア、経営革新に取り組む
イ、社員を大事にする経営
ウ、継続後継者の育成
各々を検討してみますと
アの経営革新については事業戦略と言う面と経営システムの革新と言う面があります。
社内システムでは仕事のやり方を変えるには直接影響を受ける社員への説明も必要になるでしょう。
イの社員を大切にする経営では育成が今後取り組みたいことの1位でした。
OJTやOFF-JTのどちらの研修も大事です。
しかしむしろやる気を高めるという点で「衛生要因」となる会社方針、職場環境、給与、対人関係等があり、これが不十分であれば不満足であると感じます。
もうひとつの「動機付け要因」では仕事内容、責任、目標達成、承認、昇進、成長などの可能性を見出すことで満足が高まると言われています。
働きやすい職場環境と部下の成長につながる仕事を与え、責任を持たせ評価処遇につなげることで社員との信頼関係を築くことが大事です。
ウの継続経営者の育成は最も重要でしょう。
経営革新も社員を大事にする経営も取り組みの先頭に立つのが経営者です。
経営者がこれらの重要性を認識しなければ何も進みません。
会社の存続、社員の力の結集、市場環境の変化を読み取り経営革新を行う、業績を上げるだけでなく企業倫理も意識する時代です。
実務能力と人的能力があり信頼される人柄が求められているでしょう。