60歳以上再雇用後に賃金改定した時の特例
社会保険標準報酬月額の即時改定
60歳以上で定年後再雇用された人が、賃金改定で月額が下がった場合には、その月から同日得喪により標準報酬月額を改定することができますが、H25年1月25日の厚労省の通知により適用条件が変更されています。
今までは「特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって、退職後継続して再雇用されるもの」から「60歳以上のもので、退職後継続して再雇用されるもの」に変更されました。
また、H25年4月以降に60歳になる男性は60歳時に年金の受給権が発生しませんが。60歳時で賃金改定があれば、同日得喪ができることとなりました。
同日得喪とはどのようなものか
社会保険の保険料は賃金額から決定される標準報酬月額で決められます。標準報酬月額の決定や改定があるのは次の3つです。
①資格取得時決定
社会保険の資格取得時に予定賃金額を基に決定される
②定時決定
毎年4月から6月の3か月の賃金の平均額を基に、その年の9月から次の年の8月までの標準報酬月額を決定する
③随時改定
固定的賃金(基本給や定額の手当等)が改定された時に、変動した月から3か月間の平均額が従前の標準報酬月額より2等級以上変動があった場合に4か月目に改定されます。
保険料を即時に改定するのは資格喪失と同時に資格取得をすれば賃金引き下げに伴い即時に改定されるのです。
このことを同時得喪と言います。
不利益回避のための措置
定年後継続雇用され賃金が下がった場合に随時改定では3か月経過後にしか改定できません。
同時得喪は賃金が下がった時にすぐ保険料を改定することが出来ると言う点があります。
また、在職老齢年金の受給が支給停止や減額支給で不利益とならない様にする為の措置でもあります。
同時得喪の要件は
①定年退職後継続して雇用されるもの
②定年以外の退職後の再雇用
③再雇用後の契約更新時等
が対象となっており60歳以上であれば適用できる事となり、さらに65歳以上の継続再雇用時や契約更新時でも適用されることとなりました。