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離婚について(その5)   

前回は離婚に際して当事者間で決めておく事項のうち①親権者の指定について解説しましたが、今回は②養育費について解説します。

養育費とは、未成熟子が社会人として自立するまでに必要とされる費用のことをいいます。

同居している婚姻中の夫婦であれば養育費が顕在化することはないのですが、離婚によって一方が未成熟子を養育することになる場合には、養育する方の親は養育しない方の親に対して養育費を請求できることになります。

養育費の金額は当事者の合意によって決めることができます。

親の収入や未成熟子の数や年齢によっても左右される事柄ですので、当事者間で話し合いをして合意に至れば問題は生じません。

合意に至らない場合には、家事調停や家事審判を申し立てることが必要になります。

調停や審判では、養育費は「算定表」により算定することが定着しています。

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

横軸の権利者(養育親)の収入と、縦軸の義務者(非養育親)の収入の交わる部分が養育費の金額の基準になります。

養育費は毎月の分割払いが基本です。

当事者間の合意があれば将来の分を含めた一時金払いも可能ですが贈与税の課税対象になりますので注意が必要です。

養育費の支払いは20歳までとされる場合が多いですが、大学卒業までの養育費が認められる場合もあります。

養育費の金額は離婚時に決めなくても、離婚後に請求することは可能です。

ただし、協議が整わない場合には家事調停や家事審判を申立てる必要があります。

権利者または義務者の収入が大幅に変化した場合や未成熟子が大病を患ったりした場合には養育費の増減額請求が可能です。

これも、協議が整わない場合には家事調停や家事審判を申立てる必要があります

家事調停や家事審判または離婚訴訟の判決や和解で養育費が決められた場合に義務者が支払わない場合には、給料を差押える等をして強制的に取立てをすることが可能です。

上記以外の当事者の合意による養育費の取決めの場合には強制的に取り立てることができず、家事調停や家事審判を申立てる必要が生じます。

ただし、当事者間の合意であっても、公証人役場で強制執行認諾約款(履行を怠った場合には強制執行を受けてもよい旨の条項)を付した公正証書を作成しておくと、家事調停等の手続を経ずに強制的な取立てが可能になります。

次回は③子の面接交渉について解説したいと思います。