司法修習(その4)
集合修習(2か月間)は埼玉県和光市の司法研修所で行われます。
司法研修所の敷地内には司法修習生用の寮が併設されていますが、司法改革により司法試験合格者(=司法修習生)が増えたことにより寮の定員がオーバーしてしまい,希望者全員が入寮できなくなりました。
抽選で入寮者を決めるようですが、抽選に外れると和光市や大泉学園のウィークリーマンション等を借りなければならず,相当な出費が必要になります。
もっとも、私のように都内に自宅がある修習生は希望しても寮に入れず、自宅から通います(私は片道1時間45分かけて通所していました)。
集合修習は、実務修習地ごとに80名程のクラスに分かれて、教官による講義や、模擬裁判、2回試験に向けて模擬試験(即日起案)等を行います。
朝9時50分から夕方4時35分までの間に3コマあり、大学の教場のような雛壇の教室で行われます。
集合修習の期間は2ヶ月しかありませんので、かなりタイトなスケジュールの中で講義等の内容を理解して消化するのは大変でした。
2回試験(司法修習生考試、国家試験)は集合修習の最後に5日間かけて行われます。
民事裁判、刑事裁判、民事弁護、刑事弁護、検察の5科目について、それぞれ1日7時間半の試験です。
2回試験は合格率が95%前後もありますが、不合格になると法曹資格を得られず、再度翌年の2回試験を受験しなければならなくなるため、相当なプレッシャーがかかります。
皆、不合格にならないように必死に勉強します。
2回試験の結果発表は不合格者の番号を張り出すという不合格発表です。
晴れて2回試験に合格すると、合格の翌日(毎年12月半ば頃)に弁護士になる司法修習修了者は一斉に弁護士登録をします。
最近は、就職先が見つからないため、一斉登録日に弁護士登録をしない司法修習生が多いようです。
今年は数百人単位で一斉登録日に司法修習修了者が弁護士登録をしないとの情報もあるので、新人弁護士の就職状況は悪化の一途をたどっているようです。