婚外子法定相続分違憲決定に関連する国税庁の取扱い
平成25年9月4日に最高裁において、法律上の夫婦ではない男女間から出生した非嫡出子(婚外子)の法定相続分が嫡出子の2分の1とする民法900条4号但書前段の規定が、憲法14条1項に定める法の下の平等に反するとして違憲決定がなされました。
民法改正がされるためには、国会が最高裁の違憲判断を尊重して民法改正の決議をしなければなりませんが、この度、国税庁がいち早く違憲決定に伴う相続税の取扱いについて公表しました。
今回の国税庁の取扱いは最高裁の「違憲判断は確定した遺産分割には影響を及ぼさない」旨の判示を考慮した相続税額の計算における取扱いです。
公表された取扱いの要旨は以下のとおりです。
基本的に平成25年9月4日以前に完全に相続税額が確定しているか否かで取扱いが分かれます。
1 平成25年9月4日以前に相続税額が確定している場合
違憲決定がされた民法900条4号但書前段を用いて相続税額を計算し確定している場合であっても、相続税額の是正はできず、更正の請求の事由にもなりません。
2 平成25年9月5日以後に相続税額が確定する場合
(1)平成25年9月4日以前に確定していた相続税額が異動する場合
相続人による更正の請求又は修正申告、課税庁による更正又は決定により平成25年9月4日以前に確定した相続税額に異動が生じる場合には、違憲決定がされた民法900条4号但書前段の規定がないものとして相続税額を計算します。
(2)平成25年9月5日以後に新たに相続税額が確定する場合
違憲決定がされた民法900条4号但書前段の規定がないものとして相続税額を計算します。