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分かりづらい専門用語   

税理士や弁護士等の職業専門家が日常的につかう用語が、一般の方々にとって分かりづらいことが多々あると思います。

例を挙げてみましょう。

税理士はよく『「会計上」は○○ですが「税務上」は××です』と言います。

この「会計上」「税務上」という意味は一般の方々にはよく分からないと思います。

会計処理の方法は、企業会計原則などの一般に更正妥当と認められた会計処理の基準に従います。

「会計上」は○○ですと言う場合は、「一般に更正妥当と認められた会計処理の基準に従うと○○と判断されます」という意味です。

税務処理の方法は、法人税法などの税法の規定に従います。

「税務上」は××ですと言う場合は、「法人税法などの税法に従うと××と判断されます」という意味です。


上記のように、それぞれの判断の元になる基準が異なることから、「会計上」「税務上」で処理に差異が生じることがあるのです。

例えば、「会計上」は交際費として費用処理ができますが、「税務上」は損金になりませんなどと使います。

次は弁護士の例を挙げてみましょう。

弁護士は「法律上」「事実上」、とよく言います(私だけかもしれませんが)。

「法律上」は読んで字の如く、法律の規定からは○○のように判断されますという意味で使います。

これに対して「事実上」とは、法律には規定されていないことからその状態が法律効果を生じる訳ではありませんが、事実状態としての存在効果は生ずるという意味です。


倒産を例に挙げると、「法律上」倒産したという場合には、会社が破産手続開始の申立てをした場合など、破産法などの法律が規定する倒産処理に入った状態を指します。

これに対して「事実上」倒産したという場合には、不渡手形を2度出してしまって銀行取引停止の状態になったことなどを指します。


以上のように、職業専門家が口癖のように使っている言葉が、実は一般の方々にとっては分かりづらい言葉であることが多いと思います。

我々職業専門家は分かりづらい概念や専門用語を依頼者の方々が分かるように説明する義務がありますので、これからも分かりやすさを意識して税務相談や法律相談などに臨みたいと思っています。