マスコミ用語と法律用語
テレビのニュースや新聞で一般的に使われている用語と、条文で規定されている正しい法律用語とが異なることがあります。
一例を挙げると
・「被告」と「被告人」
刑事事件が報道される場合に、検察官に起訴された人のことを報道では「被告」と呼称しますが、正しい法律用語は「被告人」です。
法律用語で「被告」とは民事事件で訴えられた人のことを指します。
一般的には「被告」=悪いことをした人、というイメージが定着してしまっているので、原告から民事事件の訴状が被告に届くと、自分が犯罪者であるかのように誤解して動揺してしまう人が多いです。
・「容疑者」と「被疑者」
犯罪をしたと疑われている捜査対象者のことを法律用語では「被疑者」といいますが、これも報道では「容疑者」と呼称されています。
Wikipediaによると、容疑者という呼称が用いられるようになったのは1980年代半ばからであり、「被疑者」だと「被害者」と文字と発音が似ているため、その区別のために「容疑者」と呼ぶようになったのだとか。
さすがに法曹関係者で「被疑者」を「容疑者」と言い間違える人はいませんが、紛らわしいのでマスコミは正しい法律用語を用いてもらいたいものです。
特に刑事事件における「被告」の誤用は看過できない問題だと思います。