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発生主義と現金主義   

1.発生主義とは

発生主義とは、収益・費用の認識について、役務の提供が完了し、「収入が確定した日」もしくは、「支払いの義務が確定した日」を収益・費用の計上日とする方法です。

発生主義によると、事業の収入と経費がきちんと照らし合わせることができますので、企業の経営成績を正しくとらえることができます。


2.現金主義とは

現金主義とは、収益・費用の認識について、「お金をもらった日」「お金を払った日」を収益・費用の計上日とする方法です。

現金主義によると、通帳や現金出納帳の増減と収益・費用の動きが一致しますので、お金の流れだけのきわめてシンプルな考え方で経営成績を把握することになります。

例えば現金商売の飲食店で、仕入代金が当月末締めの翌月末払いであった場合、現金主義に従って収益と費用を計上すると、当月の現金売上に対し、仕入計上額は前月に仕入れた商品の当月末支払額となります。

これでは、当月の売上が前月よりも少なくなってしまった場合などは、売上が下がっているのに、仕入れは前月のたくさん売った月の仕入れ金額を支払うことになってしまいますので、本当の経営成績とは異なった損益が計算されてしまうことになります。


3.現金主義の特例

発生主義は、正しい経営成績を導くために必要な認識基準ですが、売掛や未払いなど、請求書の管理が非常に細かくなり、手間を要します。

そこで、所得税法では、年間の所得が300万円以下の青色申告事業者については、適用を受ける前年の3月15日までに届出を提出することによって、現金主義での経理処理を行うことを認めています。

ただし、この特例方式は、青色申告の求める正規の簿記に従った正しい記帳方法で行われていないことになりますので、65万円の特別控除は受けることができません。

当社では一部の飲食店など、売上や仕入れが毎月一定の金額幅に収まっているような事業者については、期中の経理処理を現金主義により行い、期末に未収や未払いを計上することで発生主義に基づく経理処理に戻すことで、シンプルかつ、正確な決算書作りをお手伝いしています。

次回は「申告書等の提出期限」をお送りします。