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金融機関、本当に大丈夫?   

米銀行の四半期決算
このところ金融市場が一時期よりはやや落ち着きを取り戻し、アメリカの各種経済指標や米企業の決算内容が下げ止まりつつあることから、株式市場も低空飛行ながら株価が安定するようになってきました。
また、米金融大手6社の1-3月期決算が出揃い6社のうち5社が黒字となりました。
シティグループでは6・四半期ぶりに黒字になったと報道しています。
実際に本業が儲かるようになったのでしょうか。
今回の決算の内容は疑ってかかる必要がありそうです。
それは、特殊な会計処理が施されているからです。
ポイントは負債評価益の計上です。

利益のかさ上げ
負債評価益とは、社債など企業の負債の時価が下落した場合に、企業から債権者への支払い義務も同時に減少したとみなしてその分を利益に計上するものです。
米会計基準ではこの処理を認めていますが、これはいってみれば見せかけの利益なのです。
その見せかけの利益が膨大で、シティグループにいたっては純利益が16億ドルに対して負債評価益が27億ドルとなっており、実質は11億ドルの赤字となっております。
このような利益のかさ上げまでして決算数字をよく見せようとすることは、米金融機関の実態は債務超過に陥っている可能性があるかと思われます。

ノーベル経済学賞教授の謝罪
金融機関の不良債権処理の難しさに関して興味深いコメントがありました。
2008年のノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授は、日本の不良債権処理に関して日本批判の急先鋒でしたが、以下のようなコメントをしています。
「私たちは、日本に謝らなければならない。日本は対応が遅く、根本的な解決を避けていると、西欧の識者は批判してきた。だが、似たような境遇に直面すると、私たちも同じ政策をとっている。3月で8・5%と上昇する米失業率を見ると、失われた10年を経験した日本より悪化している」といっています。