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事後課税と日米憲法   

事後課税の標的AIG高額ボーナス
政府管理下で公的支援を受けて経営再建中にも拘わらずAIGが高額ボーナスを支給していた、というのも驚きながら、米議会がそれに対し報復的に90%課税という法案を通したというのも衝撃的でした。
感情論を排して考えると、事実が明らかに確定してからその後に作られた法律で国家から報復を受けることは、近代法治国家にあってよいのか、と疑問になります。

罪刑法定主義と租税法律主義
罪刑法定主義とは犯罪を処罰するには法律に犯罪類型と刑罰を明確に規定しておかなければならないとする原則で、遡及処罰の禁止などの原則が派生的に導かれるとされていて、日本国憲法には遡及処罰の禁止規定も明記されています。
同じく課税についても、租税法律主義が日本国憲法に明記されています。
なお、遡及課税禁止の条項はありませんが、昨年の通常国会で、租税にも不利益不遡及の原則がある、との政府答弁があり、遡及処罰禁止と同じく遡及課税禁止も派生的に導かれるべきものとの原理が確認されています。

アメリカ憲法は成文主義ではない
罪刑法定主義や租税法律主義の憲法規定は明治憲法にも同趣旨の規定がありました。
しかし英米法の国々は、成文法主義ではないので、罪刑法定主義や租税法律主義の考え方を採らず、判例を筆頭とするコモンローと称される不文法も成文法と同格と考えます。
従って、アメリカ議会が遡及課税法案に多数決で承認することは、あり得るべきことなのかもしれません。

日本にもある遡及立法
日本では遡及課税はあり得ないはずなのですが、3月後半の法律施行にもかかわらず、年初に遡及させるということが、たびたび行われてきました。
昨春の租税不利益不遡及原則の政府確認答弁にもかかわらず、所得の確定は年末なのだから、年初への遡及に違憲性はない、との財務省見解は相変わらず続いています。死亡や出国では年末はおろか法律施行以前にすら所得が確定することはあり得ることですから、この見解が詭弁であることは明らかです。