2009年問題とは
嵐のなかの製造業派遣
「物の製造」業務への派遣は今、嵐の中にあり、多くの離職者が予想されています。
2年前の2007年に製造業への派遣期間が1年から3年に延長されました。
その時には、昨年起きた米金融危機から発した世界的な金融不安の影響をここまで受けることなど予想されておらず、順調な輸出関連、特に自動車産業、電機産業は人手不足で、安い労働力であった派遣労働者を大量に使うようになりました。
アジアの安い労働力に対抗する手段でもありましたが、バブル崩壊期以降、企業は正社員を減らし、非正規に切り換えるところが増えていました。
2009年に期限が到来する製造業派遣
2007年3月の派遣法の改正の時点で、1年以上請負契約を行っていた場合は、派遣期間3年間へ延長はできなかったこともあり、製造業に雇用されている派遣労働者は2009年2月から2010年2月にかけて3年間の契約期間満了を迎える人が多くいます。
派遣法では、そこで一旦クーリング期間3ヶ月以上を設け、派遣先での直接雇用や、請負契約への切り換えを行ってから、また派遣するという雇用形態を示しています。
ただし、再派遣も通達等により制限があります。
2009年問題といわれ、対策に頭を悩ませていた派遣先、派遣元はここへ来て、急激な景気の後退でクーリングオフ期間が来る前に解雇をも考えざるを得なくなってきています。
厚労省調べでは昨年10月から今年3月までに失業する非正規社員は、全国で8万5千人と予想され、2009年問題とは、製造業のみならず、企業の雇用対策そのものとなりそうです。