もしも従業員が裁判員になったら
来年、5月21日から裁判員制度の開始が予定されています。
先ごろ、裁判員名簿に記載された方宛てに名簿記載通知が発送されたとの報道がありました。
名簿に記載されると、裁判員に選ばれる可能性がありますので、準備が必要です。
仕事を理由に拒否できるか
裁判員法では、「その従事する事業における重要な用務であって自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがある場合」には、辞退の申立てができるとされています。
ただし、辞退を認めるかどうかは、質問状等をもとに各裁判所が判断することになっています。
出頭日の取り扱い
裁判所に出頭する日は、会社を休む必要があります。
労働基準法では、従業員が労働時間中に、公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合には、企業側は拒んではならないとされています。
ただし、有給休暇扱いにするかどうかは法律上定められていませんので、各企業の判断によります。
裁判所では経済団体等に対し有給休暇制度の導入を働きかけているため、大企業を中心に有給休暇を認めるとする企業が出ていますが、人材の少ない中小企業においては、負担は軽くはありません。
なお、就業規程上、従来から公職執行時間を無給としている企業では、これに準じた扱いをすることも考えられるでしょう。
裁判所に通勤途中に事故にあったら
裁判員は,非常勤の裁判所職員ですので、通勤途中に事故にあった場合,国家公務員災害補償法の適用を受け、補償を受けることができます。
裁判員候補者についても同様です。
日当は出るの?
裁判員候補者・選任予定裁判員については1日当たり8,000円以内、裁判員・補充裁判員については1日当たり1万円以内で日当が決められ、旅費は最も経済的な経路で計算し支給されます。
この日当等は、実費弁償的なものであるため「雑所得」として取り扱われますので、確定申告が必要です(年末調整を行うサラリーマンで、給与所得以外の所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要ですが、地方税の申告は必要です)。