振込め詐欺被害に税制上の救済は?
オレオレ詐欺の被害が広がっている
「オレだよ、オレ。」と、電話をかけ「実は事故にあっちゃってお金が必要になった。すぐにお金を振り込んで。」などと言い、指定した銀行等の口座に現金を振り込ませるというのが「オレオレ詐欺」のやり口ですが、最近も高齢者をねらったオレオレ詐欺の被害は広がっているそうです。
家族を大切にする気持ちを利用した卑劣な犯罪であり、警視庁の調べによると、平成19年中の都内の「振込め詐欺」(還付金詐欺を含む)の被害件数は、3,497件(前年比+114件)で、そのうち「オレオレ詐欺」は2,072件となっています。
犯行の手口が巧妙になっている
・お金が必要な理由として、借金の返済・事件(他人にケガをさせた、高価な物を壊した)や交通事故の示談金、弁済費など。
・警察官や弁護士、鉄道関係者を名乗って、痴漢による逮捕を免れるための示談金を請求する詐欺もあるそうです。
・最近は、税務署や自治体名等を名乗って、税金、保険料等の過払い分を還付するので「ATM」に行くように指示し、ATMを操作させてお金を振り込ませる還付金詐欺が増えています。
・銀行の振込みだけでなく、宅配業者や書留、小包、定形郵便物を利用させる場合もあります。また、家族の勤務先の同僚を装って所定の場所(最寄駅の付近など)を指定し、現金を受取りに来る大胆な手口もあるようです。
雑損控除の対象になるか?
災害(震災、風水害、火災等)盗難もしくは横領によって、資産について損害を受けた場合などには、所得控除が受けられる制度があり税負担は減少されます。
しかし、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。災害や盗難などは本人の意思に関係なく起きますが、詐欺や恐喝は本人も何らかの責任があるとみなされるためです。大変に気の毒ですが、これが税法の考え方のようです。
(雑損控除)
所得税法第72条 居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族で、政令で定めるものの有する資産(第62条第1項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)及び第70条第3項(被災事業用資産の損失の金額)に規定する資産を除く。)について災害又は盗難若しくは横領による損失が生じた場合(その災害又は盗難若しくは横領に関連してその居住者が政令で定めるやむを得ない支出をした場合を含む。)において、その年における当該損失の金額(当該支出をした金額を含むものとし、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。以下この項において「損失の金額」という。)の合計額が次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる金額を超えるときは、その超える部分の金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
一 その年における損失の金額に含まれる災害関連支出の金額(損失の金額のうち災害に直接関連して支出をした金額として政令で定める金額をいう。以下この項において同じ。)が5万円以下である場合(その年における災害関連支出の金額がない場合を含む。) その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の10分の1に相当する金額
二 その年における損失の金額に含まれる災害関連支出の金額が5万円を超える場合 その年における損失の金額の合計額から災害関連支出の金額のうち5万円を超える部分の金額を控除した金額と前号に掲げる金額とのいずれか低い金額
三 その年における損失の金額がすべて災害関連支出の金額である場合 5万円と第1号に掲げる金額とのいずれか低い金額
2 前項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
3 第1項の規定による控除は、雑損控除という。
警視庁のホームページ
警視庁 生活安全総務課 生活安全対策第3係
TEL 03-3581-4321(代表)
(目次)
「オレオレ詐欺」とは・・・
犯行の手口あれこれ・振り込め詐欺の手口
オレオレ詐欺以外の「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」とは被害にあわないための防犯対策